2020東京大学 物理第3問 恒温槽と接触させる熱サイクル

設問I

操作①は断熱変化なので$$\begin{align} W_1&=\Delta U\\&=\frac{3}{2}R\left(\frac{1}{a^2}-1\right)T_A \end{align}$$

操作②では圧力が一定なので$$\begin{align} W_2&=-p_B\Delta V\\&=-\frac{p_A}{a^5}(V_C-V_B)\\&=-\frac{1}{a^2}\left(\frac{4}{5}a^2-1\right)RT_A \end{align}$$

操作③は断熱変化なので $$\begin{align} W_3&=\Delta U \\ &=\frac{6}{5}(a^2-1)RT_A \end{align}$$

設問II

単原子分子と言われているから$$\Delta U=\frac{3}{2}R(T_E-T_D)$$

操作④では圧力一定。状態方程式より$$状態{\rm D} : p_AV_D=RT_D, \quad 状態{\rm E} : p_AV_E=RT_E$$

低圧変化なので$$\begin{align} W_4&=-p_A(V_E-V_D)\\&=R(T_D-T_E)\end{align}$$

容器Yに入る熱\(Q_Y\)は$$Q_Y=\frac{3}{2}R(T_E-T_A)$$

一方容器Xに入る熱を\(Q_X\)とすると熱力学第一法則より$$\Delta U=W_4+Q_X$$

さて、熱の移動は容器XとYの間でしか行われないので$$Q_X=-Q_Y$$

これをさっきの熱力学第一法則の式に代入して$$\frac{3}{2}R(T_E-T_D)=R(T_D-T_E)-\frac{3}{2}R(T_E-T_A)$$ 解いて$$T_E=\frac{5T_D+3T_A}{8}$$

設問III

操作①では断熱で圧力が減少している。

操作②では定圧なので、アとエが除外される。

操作③では断熱で圧力が増加している。

操作④では定圧で変化。容器Yの内部エネルギーが増加することから\(T_D>T_A\)であり、\(T_D>T_E\)となる。ゆえに\(p-V\)グラフでは左下方向(低圧変化だから左方向)に移動する。そして\(T_E>T_A\)であるから状態Eは状態Aよりも右上方向にある。

以上よりオが適する。

⑴で述べたように、容器Yの内部エネルギーが増加するとき\(T_D>T_A\)。すなわち$$\frac{4}{5}a^2T_A>T_A$$ 解いて$$\frac{\sqrt{5}}{2}<a$$

容器XからYに移動する熱をQ_Y、容器Xの内部エネルギーの変化を\(\Delta U_x\)とすると、容器Xに対する熱力学第一法則より、$$W+Q_2=\Delta U_x+Q_y$$

容器Yの熱力学第一法則より、$$Q_Y=\Delta U_Y$$

容器X、Yともに温度は\(T_A\)から\(T_E\)まで変化していて、中に入っている気体のモル数は同じなので$$\Delta U_X=\Delta U_Y$$

以上を容器Xの第一法則の式に代入して$$W+Q_2=2\Delta U_Y$$ $$\Delta U_Y=\frac{W+Q_2}{2}$$

状態AにおけるXの温度が異なっても状態Dで容器Xの温度は\(T_D\)になる。容器Yは常に高温側\(T_D\)と接触することになるので、$$T_F=T_D=\frac{4}{5}a^2T_A$$

コメント

設問Iが表よりも前のページにあるため、表の値を見ていなくて「どーすんのこれ???」状態になっていた。リード文に表3-1と書かれてあるのに・・・。試験中にこうなったらと考えると恐ろしい。

さて、普通に問題に取り組むと、これもそんなに難しくない。設問IIIの⑶とかで詰まるかも、ぐらいか。とはいっても実際試験受けた人はそんなにできてないと思う。

今年の難易度ぐらいだと、受験生はしっかり50点をとれるぐらいまで仕上げたい。試験本番は緊張もあって思ったよりもできないものだ。

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